最初に、流星群と流星の言葉が違うので気になり調べてみました。
1.流星と流星群の違い
流星と流星群の違いを簡潔に説明すると次のようになります。
流星(または流れ星)
• 定義: 宇宙空間にある塵や小さな粒子(宇宙塵)が地球の大気に突入し、摩擦熱によって発光しながら燃え尽きる現象。
• 特徴:
• 夜空で単発的に現れる光の筋を指します。
• 地球の公転や塵の存在によって、年間を通じてランダムに発生します。
• 見られる数は少なく、1時間に数個程度のことが多いです。
• 観察のタイミング: いつでも偶然見られる可能性があります。
流星群
• 定義: 特定の時期に特定の方向から大量の流星が出現する現象。
• 特徴:
• 一定の期間(数日~数週間)に観察でき、特にピーク時(極大)には1時間に数十個から100個以上の流星が出現することもあります。
• 流星は、夜空の放射点と呼ばれる一点から放射状に広がるように見えます。放射点の位置は流星群の名前の由来になります(例: ふたご座流星群はふたご座が放射点)。
• 観察の計画が立てやすい: 毎年同じ時期に同じ流星群が発生するため、事前に観察の予定を立てることが可能です。
さてこれから本題に入ります。
2. 流星群ができる仕組み
流星群は、彗星や小惑星などの天体が軌道上に残した塵(ちり)や微小な粒子が地球の大気に突入して発光する現象です。その背後には次のようなメカニズムがあります。
2-1. 彗星や小惑星が塵を放出する
彗星は、氷や岩石で構成された天体で、太陽に接近すると熱によって表面の氷が蒸発します。この過程でガスとともに塵や小さな岩石が放出され、彗星の軌道上に「塵の帯」(ダストトレイル)を残します。一方、小惑星の中には、ふたご座流星群の母天体である小惑星3200ファエトンのように、塵をまき散らすものもあります。
2-2. 地球が塵の帯を横切る
地球は太陽を公転しており、毎年一定の時期に彗星や小惑星が残した塵の帯(流星群の源)と交差します。このとき、地球の重力や大気の影響を受けて塵の粒子が地球の方向に向かい始めます。
2-3. 塵が地球の大気に突入して発光する
地球の大気に突入した塵は、秒速10〜70kmという非常に高速で大気分子と衝突します。この衝突によって塵や大気が急激に高温となり、発光する現象が「流星」です。これが私たちが夜空に観測する光の筋となります。
流星群と母天体の関係
流星群にはそれぞれ「母天体」と呼ばれる起源の天体があります。
例えば:
• ふたご座流星群の母天体:小惑星3200ファエトン
• ペルセウス座流星群の母天体:彗星スイフト・タットル彗星
• しぶんぎ座流星群の母天体:小惑星または彗星由来と考えられるが詳細は不明
母天体が何度も太陽を周回することで塵の帯が徐々に広がり、地球が交差する際に流星群として観測されます。
流星群と放射点
流星群では、流星が特定の一点(放射点)を中心に広がるように見えます。これは、地球の公転や塵の流れが一定の方向を持っているためです。たとえば、ふたご座流星群の放射点はふたご座のカストル付近に位置します。この放射点の名前に基づいて「ふたご座流星群」と呼ばれます。
まとめ
流星群は、彗星や小惑星が残した塵が地球の大気に突入して輝く現象です。その美しさは、宇宙の壮大な物理現象が地球規模で見られることに由来しています。一年を通じていくつもの流星群が観測できるため、それぞれの特徴や母天体を調べながら観察するのも楽しいですよ!
最後まで、お付き合いいただきありがとうございます。